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フォード・フィエスタ

いいデザインだと思います。押し付けがましいところがなく、自然体で、きちんと真面目に磨き上げられたような印象がある。その分商品としてのアクはちょっと弱いかもしれないが、フィエスタは世界で最も売れているクルマのひとつ。フォードは街を数多く走るクルマのデザインというものを分かっているんじゃないだろうか。なるほどこのデザインなら、繁殖しても嫌みはなく街にサラッと溶け込むだろう。
あるいは、このデザインが普通過ぎるとする向きもあるだろう。しかしクルマのような要素の多いものは特に、普通に見える事こそが難しいのだ。例えば、職人さんの技にしたって難しい作業をいとも簡単そうこなす。見てる分にはちっとも難しそうに見えないのだ。洗練とはそういうモノなのだろうと思う。それにこのデザインならきっと長くつき合って行けると思う。
ちょっと速そうに見せようとヘッドライトをつりあげたり、可愛く見せようと丸めたり…そんなクルマが最近多い中、非常に気持ちのいい存在ではないだろうか。


デザインの第一印象は、『地味だが、バランス良さそう』であった。
今回のテーマをもらってから再度じっくり見てやろうと、注意深く街を見渡すがなかなかお目にかかれない。遭遇していたのかもしれないけど地味で気付かなかったのかも・・
仕方がないので先日ディーラーへと足を運んだが、どーやら第一印象は間違っていなかったようだ。まず全体の体積/量感が気持ち良い。キャビンに対するボンネットの量/タイヤの位置/窓の大きさ等。その匡体に気持ち良いサイズで、クセのない自然な形状のランプやグリル等のパーツが割り当てられている。まるすぎないボディに時折覗くシャープなピン角Rも好感が持てる。このクルマに限った事ではないが、ヨーロッパの大衆車は黒パーツ使いが実に上手い。窓リム/グリル/バンパー/ドアノブ/サイドモール/フォグまわり等国産ではコストをかけボディ同色でなるべくまとめようする流れの中、あちらではこれらのパーツを樹脂うちっぱなしのままで大胆に貼っていく。でも実はコレが使いようによってボディを引き締めたり、カラーを美しく深みのある色にまで見せてしまう効果を持っている。派手さや色気はほとんどなく一見すると極めてフツーだが、この事が良い個性になっている気がする。世の中はフツーじゃない車の方が圧倒的に多いのだから。


広告や雑誌でこの車が登場したのを見た時の印象は、新鮮味のない形だなぁ、でした。そつなくまとめられているのはわかるのですが、刺激のある個性の効いたデザインは外観に見受けられません。このクラスの車には、好き嫌いの別れるところではありますが、私的には、おもちゃ感覚というか、楽しさ、可愛さ、趣味的個性みたいなものが何か外観にホシイ感じがします。むしろインテリアの方に好感が持てました。ダッシュ回りも複雑な形状を使わず、円や四角を基調としてシンプルにまとまっていて、エアのフキ出し口の形状や張り出し方もほどよいアクセントになっています。シートのサイズは小さいものの、座った時の空間がとてもリラックスでき、気に入りました。ミディアムライトストーンと明るいインテリアに絞っている(GHIA)のも、好きです。リアシートのヘッドレストも薄くデザインされ上下に調整がききながら、視界に影響が少ないまでに格納も出来る機能的な部分にも小さいサイズゆえの気配りデザイン、好感がもてます。決して欲張ることなく、シンプルでカジュアルに飽きのこない空間に仕上っていると思います。ただ、私にはハンドルを握って楽しいこのクラスの車に、MT仕様の設定が無いのは何とも寂しく、オーナーにはなり得ない決定打です。それと実車を見た時、何かしっくりしている感じを受けたので、それは何故か?と考えたところ、おさまりのイイ、メーカーエンブレムサイズのせいではないか?と思いました。少々この車の評価とはズレるかもしれませんが、最近の日本車を見ていてつくづく思っていた不満なのであえて書かせてもらいますが、近頃の車のメーカーエンブレム、大きすぎます。デザインをスポイルしてしまうほど、むやみな大きさだと思うのです。先日、某メーカーデザイナーの方とお話する機会がありました。『エンブレム大きすぎない?』との質問に『やっぱりドンと主張しなくっちゃ!』との返答のありさまでした。もう返す言葉が無かったです。エンブレムもカーデザインを考えた時、おさまりのイイ大きさ、バランスは大切な要素だと思うんです。この車のフロントを眺め、このくらいの大きさのほうが、とても上品に見える。と改めて実感した次第です。


力作ですね。本当に凄いと思いました。同じ価格帯の日本車とフォードではこんなに違うの?日本の車って、なんか余り物の寄せ集め?って思う程、全てが違って見えました。
今回のフォード・フィエスタが力作なのか?日本車が手抜きなのか・・・?驚くのは、フィエスタには、これといって悪い所が見当たらないんです。まず、フォルムの印象ですが、全体のラインが違和感なく各部パーツと繋がってるんですよね。ライトからフロントグリル、サイドミラーからAピラーのカーブに沿って天井にまわり、トランクへ・・・。ね、綺麗なんですよ。そして、運転席に乗り込んでみると、個性的なエアコン噴出口やドアノブなど、各部が使い易くて「デザインしました!」って主張してるパーツに感心します。走ってみても意外にいいんですよ。普通なら、デザインにお金かけてるから走りはマァマァねぇ・・・って思うじゃないですか?ところが問題ないんですよ。オートマだったんですが、ギアチェンジがスムーズだしね。意外にストレスを感じない走りに驚きました。しかもAピラーが全然邪魔にならなくて、視界が広い!Aピラーの位置って重要だと思いませんか?
私は実際、排気量1500クラスの車って不安なんですよね。もし、事故に遭遇したらドライバーはどうなるの?って。だから、「エアバックが6箇所についてるんだ」ってだけで運転する側も乗る側も安心感が違うと思うんですよね。
車を降りてから、トランクを開けてびっくり。見た目で思ったより、全然広い!そう、フィエスタは「思ったよりいい!」っていう要素が多いんですよね。この価格で、排気量で、この車?すごい力作だと思いましたね。ただ、唯一、残念なのが癖が無さ過ぎる感じがします。例えば、BMWやJaguar、Citroenみたいに癖がある方が車に愛着が涌いて、長年大事に乗る気持ちが涌くと思うんですよね。まさに愛車たるゆえんですね。今は、フィエスタを見て「欲しいな〜」と思っても、次ぎに他社の新車を見たら、そちらに心動いて意外にあっさりと買い替えられてしまうかも知れない?そんな気がします。