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この手の国産スポーツカーにしてはオタクっぽいところがなく、好感が持てるが,逆に色気が足りなく、若干オモチャのような雰囲気になってしまっているようなところはもったいないと感じる。伸びやかなところがなく、だからといって凝縮感もない、ちょっと中途半端なのだ。乗っている人間の見え方も決してよくないし、オトナのスポーツカーとしての性格を表現しているとは言いがたい。それに、なんとなくリアクオーターからの造形に一生懸命になっているうちにフロントの時間がなくなっちゃって、グラフィカルな処理に走ってしまったような印象も受ける。ちょっと前後のテイストが違って見えるからだ。もっとリアの雰囲気で全体が仕上がるともっとよかったように思えてならない。リアアングルに関してはなかなかの味を持っているのだから。とはいえ、このようなクルマをリリースし続けていくのは今の時代とても難しいだろう。それでも自動車メーカーとして、挑んでくれるところは素直に評価したいと思う。

 
   

    私はフェアレディZが好きである。理由は3つ・ロングンノーズ/ファストバックである事。モデルチェンジしない事。幼少期のあこがれであった事(もちろんS30系の時代)。そんな思い入れのある車がモデルチェンジすると聞き、かなり熱い眼差しでプロトタイプから気にしていた今回のゴーンZ。デザインテーマとしてはもう出尽くした感のあるAUDI TT系統の箱スポーツ。ボディサイズもなんだかぼってりデカイ。ディテールは大味。各種パーツ仕上げはすこぶる安っぽい。でもなぜか印象は悪くない。たぶんその理由はバランスの良さにある。・ボディに対するタイヤのサイズ・前後/左右のオーバーハング量・キャビンからリアにかけてのスラント具合等々。RoadStarはこの魅力である屋根をそのまま取ってしまっただけなのでイマイチ。もう少し時間かけて細部煮詰めて欲しかった。先代が良かっただけにちょっと残念。  
   

    かつて、次期Zとして雑誌にスクープ写真とかが掲載されたころ、なかなか「キレイなデザインでまとまっている」と、とても期待させられました。特に小じんまりとまとめられたルーフラインからテールライトのデザインに至るまでの斜め後ろから見る流れるようなフォルム、とても好きです。しかし実際に現車を見ると写真では感じられなかったのですが、シンプルなラインで構成されているにもかかわらず、シャープさにかけるというか?とくにフロントバンパーなどただ一段張り出して四角く開口している的な、にぶい造型に、ワイドさだけが目立ってに何か物足りなさを感じます。上半身がキレイなだけに、もっと下半身に引き締まったセクシーな造型が欲しかったなと思います。それと、どうしても一つ許せないのが『ドアノブ』。各所ソリッドな素材感で四角モチーフをつかったテーマデザインのパーツをもってきているコンセプトはイイのですが、なぜにあそこまで『ボテッ』とした形を主張しなければならなかったのでしょう?ボディラインをくずしているばかりで、このパーツだけは全くもって疑問の固まりです。でも、なんだかんだ言っても、シートにすわった時の心地よいタイト感と適度に見やすくシンプルにまとまっているメーターまわりなど、近年の車はこれでもかと大径のメーターをもってくるのが多いだけに、好感がもててけっこうお気に入りです。  
   

    私の中で「Z」と言えば、強面で個性的な色彩と躍動感のある挑戦的なフォルムをしていながらも、白髪で髭をたくわえたオジサマなどが運転していたらチョット惚れちゃう感のある車だったんですけど・・・。これは何ですかね?これからデビューする車種としてなら、BMWやポルシェを連想させるスタイルや色でも悪くはないのでしょうが、あの強烈な「Z」が他の車に見えたら終わりですよ。コメントする気力を根こそぎ持っていかれましたね。論外どころか、圏外ですよ。高速道路で出会ったら、ついつい見つめてしまう車が、また一つ無くなっちゃいましたね。残念です。