惜しいクルマだと思います。1台のごく普通の軽自動車があって「このクルマをアレンジして下さい」と何人かのデザイナーに頼んだような仕上がり。似たような印象の多い軽自動車の中で、顔をはじめ、シャープなミラーや、サイドモールから繋がるドアハンドル、サイドウインカーなど、変わりたいと言う意気込みは感じられるのだが、いかんせんそれらの線や面のテンションなどがバラバラで、かつだらしない。結果的に文頭に述べたような印象になってしまっている。「デザイン優先」という言い方を悪い意味で表してしまっているかのようだ。とくに、リアのフェンダー周りからバンパーにかけてはちょっとやり過ぎで、大きく機能性を損ねている気がしてならない。後方視界もこんなもんでいいのだろうか?軽自動車だから多くの制約はあろうけれど、そこがデザイナーの腕の見せ所だと思う。ただ、インテリアに関しては、頑張っていると思う。パネルを止めるねじ頭丸出しだったのはいただけないが、ドアノブ周りのシンプルな感じなどは面白いし、インパネも素材感は変だが、運転席に座った時も適度な緊張感を与える空間設計など、うまくやっている。スバルはここでの試行錯誤をうまく消化して、次に生かしていけば次第に良いものが出来そうだ。
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