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Hondaはいつもお客様の「こんなのが欲しかったんだよ。」と驚きと喜びを感じてもらえるような商品を創っていきたいと考えています。ご承知の通りミニバン市場が成熟期に入り、また少子化など家族の価値観も変化してきています。子供も含めた家族全員が平等の意見を持ち、目線も一緒になってきているのではと感じました。家族それぞれ、パパは乗用車のようなかっこ良さとユーティリティ、ママは運転しやすいサイズ等々、そして更に、我々はクルマの中でも目線が同じ方が自然ではないかと考えました。この発想がもとになり、今までのミニバンとは違う乗用車的なエクステリアとインテリアが生まれ、更には家族だけではなくカップルや友達同士でも新しいコミュニケ−ションが体験でき、幅広いお客様に驚きと喜びを感じて頂けるのではと思っています。
3人×2列と言う特異なシートレイアウトを乗用車風にアレンジしたことにより、内外どこから見てもどこか新鮮に感じていただけると思います。
エクステリアで力を入れたのは新しい立体造形のトライです。今までのHonda車に無いような力強い曲面を多用しながら、キャラクターラインやヘッドライト・リアコンビランプでシャープ&ハイテク風に引き締める事により、新しいHondaデザインのカタマリ感を表現しています。特にリアガラスの大胆な3次曲面は、視界と成形性のギリギリを狙い、それに乗るリアワイパーも曲面をしっかり拭き取れるようにと何度も作り直しました。
インテリアは乗用車感覚の中にも自宅のリビングテイストを取り入れつつ、前席足元に広々とした空間を確保しています。フロントセンターシート足元のエアコンをいかに配置するか、そのセンターシートのロングスライドをどう確保するかをかなり検討しました。
EDIXデザイン開発にあわせ、2色の専用色を設定しました。
室内の楽しいコミュニケーションを外側にも発散させたような、クリスタルアクア・メタリックという艶やかなライトアクアブルーです。明るめの色ですがしっかりボディ形状の陰影を拾い、曇りの日でもさわやかな印象を与えてくれます。もう1色は外観の力強いカタマリ感に、さらに凄みと質感が感じられるスパークルグレイ・パールという荒めのメタリックをあしらったいグレイです。メッキハンドルやグリルなどの部品をより極立てて高質に見せながらも、荒めのメタリック粒子がキラキラ発色することで、渋い中にも元気で若々しい印象を与えてくれます。
この2色は特にデザインコンセプトにリンクした開発色なので、絶対おすすめです。
開発当初は「感動がみんなで同時体験できる街の探検車」などと名付けていたこともありました。オーナーが興味をもった場所どこにでも、このEDIXを駆って行けばいつもの景色も新鮮に感じるはずです。
クロスカントリーとまでは行きませんが、同乗者や場所を選ばずどこでも似合うのではないでしょうか。また、エクステリアデザインに限っては、じっと見ていただければ洗練されたシャープさ、ダイナミックさを感じて頂けると思います。パリやミラノのどっしりとした石造りの町並みにも、置いてあるだけで存在感が感じられるはずです。あるいはハイウェイでのリアビューは並外れたスタンスの良さ、六本木や汐留などのクールでハイテクっぽい景色の中にも負けないハッとするシャープさを放ってくれるんではないでしょうか。
Hondaのデザイナーはだいたいクルマをカテゴライズ(クラス分け)するのがきらいです。
「スポーツカー・ミニバンはこうでなきゃ。」と言うより、「ミニバンがスポーツカーみたいなカタチだったら」「コンパクトカーがSUVみたいに迫力あったら。」とかとか、ひねくれていると言われるかもしれませんが、少しでも今までに無い存在感を創出し、またHonda車である以上は運転して楽しそうが一目で見えるエッセンスで包み込んで行きたいと考えます。その思いがユーザーの皆様にどれだけ伝わっているか正確に測れませんが、街で走るクルマを見渡した時、何か元気そうに見えるデザインはHonda車だねと言ってもらえる様、更に努力していきたいと思っています。
(05.2.22)
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