Interior Awardはホンダ・オデッセイが獲得した。その吟味された高い品質感は抜群で、ユーザーが、この価格帯でこれほどまでの雰囲気や世界観をもったインテリアを手に入れられる事は、他メーカーにとっても大きなプレッシャーとなることだろう。素材感、色、そしてそれらの配置はまさに的確であり、また、カーナビ関連をもはや欠かせないものとして、まじめにインテグレートしデザインされたダッシュボードは好感が持てる。若干、家電風の安っぽい風情から抜けきれていない面もあるが、操作部の使い心地など、よく練りこまれた跡が感じられる。今回は日産ティアナというインテリアを強調したクルマもあったが、単にモードを変えただけで、オデッセイのような新しい提案が無いので、評価のテーブルには乗らなかった。ただ、オデッセイのインテリアが、クルマの性格と合致しているかと言えば，車高を下げ、スポーティな走りを標榜している割には、その視界には若干の疑問を感じざるをえず、ちぐはぐな面も見受けられる。インテリアデザインとは、質感や雰囲気も重要だが、ストレスの無い前方視界の見え方や、運転する際の適度な緊張感をドライバーに促すような空間がデザインされていなければならないからだ。その点、ここでもアクセラが頑張っており、求めやすい価格帯のモデルでありながら、質実剛健的なインテリアは操作性も良く、エクステリアデザインとのマッチングもしっかりとしていて、エントリーモデルとしてもふさわしいものになっていると言える。ただやはり、オデッセイと比べると世界観が描けておらず、涙をのむ結果となった。

このたびは弊社のオデッセイに、栄えあるautomotive design Interior awardを頂き、誠に有難うございます。開発に携わったデザイナー一同、大変喜んでいます。
今回オデッセイのインテリアデザインを開発する中で私たちが常に心がけていた〜機能とスタイリングの高い次元での両立〜と言うことを御理解していただけていることが、大変嬉しく思います。今後もホンダは機能を核としたオリジナリティの有る、使って楽しい車創りを大事にしていく所存です。今後とも宜しくお願いします。
（本田技研工業株式会社 デザインBスタジオ 栗田昇様）