automotive design    
Car Design New Car Info Drive Info 自動車保険 自動車買取
MAZDA VERISA
 

エクステリアデザイン  

★3

しっかりした骨のあるデザインで品格がある。ポルシェの造形センスのようにきわめて男性的でもある。こうしたトレンドに背を向けた孤高の精神を、日本の他社は見習って欲しい。こうしたプライドを持ったデザインがヨーロッパの人々には評価されるのである。
しかし、現代に背を向けすぎたところが気になる。ひとつは、乗用車なのにオフロード・ビークル並みに異常なほど腰高に見えるデザインであることと、サイドウィンドウ周りの段差処理が30年前のクルマのように大きいことである。風切り音などの騒音にもマイナスだ。それに精度が悪かったら中国製のクルマみたいであるが、かろうじて周辺の面造形のクオリティーが高いため気にならずに済んでいる。
最後にフロントデザインだ。うっすらと笑った無表情な顔つきは、カエルかウミガメを連想させあまり気持ちよくない。レンジローバーのようなしっかりとした横桟グリルにし、生き物を連想させないほうが、知的なこのクルマの性格に合っていると思えるのだが・・・・マイナス点が多くデザイン評価は低いが、発信しているソフトウエアーの濃厚さと志の高さを1点プラスし上記の点数になった。

インテリアデザイン
★3

骨太デザインは大変好ましい。しかし、あまりにも不自然に無骨なところがある。
それは、ピラートリムだ。通常は検討用のインテリア・モックアップモデルが出来上がると、まず最初に視界の妨げになる邪魔なピラー類のそぎ落とし作業が、強度を保ちながら徹底して行われるのであるが、ベリーサの全てのピラーはボディー設計のCADデータそのままのようにいかめしい。
また、上質なインテリアで重要なのが、樹脂部品の命ともいうべき表面処理である。特にシボは重要で、ヨーロッパ車の多くがお金を掛けて複雑な深くて高級感のあるシボを実現している。ベリーサはシボが細かすぎ、高級感に乏しいのが残念である。
またシートデザインは、本革仕様以外は、その良さが充分に発揮できない形状のため、2点減点した。
総合評価
3運転すると低速時の落ち着きの無いフィーリングにがっかりさせられるが、40km/hを越えるあたりからマツダ独特のヨーロッパ車並の安定感と腰の強さが出てくる。やはり三次のテストコースでクルマを振り回してチューニングするマツダの伝統を色濃く感じるのである。だが、この手の上質車は低速でのフィーリングも大事であり、ベリーサの主張する上質とは、現時点ではあくまでマツダのレベルで言っているように思える。
ところで、せっかくの志の高いベリーサを今以上にニッポンで認めさせるうまい方法がある。それは、フォードグループのレンジローバーの小型車としてヨーロッパで発売するのである。V6エンジンを復活させ、4WDで17インチのアルミホイールを履かせ、足回りをローバーがチューニングする。そして全車本革シートのみの設定とする。インテリアの硬いデザインテイストはレンジローバーにぴったりだし、エクステリアデザインの骨太な品格も、立派なネームプレートを付ければレンジローバーの身内として文句無く通用するレベルである。いはばかつてのバンデン・プラスのローバー版だ。ロータリーエンジンとデザインの活躍をバックに、マツダが逆にフォードを利用するくらいの“でかい態度”に出ても良い状況になりつつあると私は思うのだが・・・・もし実現してフロントグリルが変わりボンネットの先端にROVERのバッジが付いたら☆4.5に昇格である。ぜひがんばって欲しい。

2004.12.23 (荒川 健)


automotive design car design michelin top BACK
3 / 3