★★★
全体のシンプルさがサイズ感を強調してしまい、1986年型アウディ80の凝縮感あふれるインパクトの強さに及んでいない。
確かな造形力として評価したいのは、力強いシンプルなルーフラインの始まりであるAピラーとフロントガラス部分である。全体のフォルムの固まり感を左右する絶対的に確かな場所にあり、キャビンのサイド断面とのカーブの相関関係が完璧に造形されている。したがって、フロントガラスからルーフ、リアデッキへと統一された美しいカーブ断面による流れが実現できている。しかし、問題はCピラーのボディーへの流し方だ。これでは先ほども書いたようにせっかくのアウディのアイデンティティーが失われている。美しいが個性が無いばかりか弱々しい。
また、ボディーサイドの浅いプレスラインも上品過ぎて効果的ではなく、前後の消し方もサイズに対して情けない。
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