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AUDI A6 3.2 FSI QUATTRO
 

エクステリアデザイン  

★★★

全体のシンプルさがサイズ感を強調してしまい、1986年型アウディ80の凝縮感あふれるインパクトの強さに及んでいない。
確かな造形力として評価したいのは、力強いシンプルなルーフラインの始まりであるAピラーとフロントガラス部分である。全体のフォルムの固まり感を左右する絶対的に確かな場所にあり、キャビンのサイド断面とのカーブの相関関係が完璧に造形されている。したがって、フロントガラスからルーフ、リアデッキへと統一された美しいカーブ断面による流れが実現できている。しかし、問題はCピラーのボディーへの流し方だ。これでは先ほども書いたようにせっかくのアウディのアイデンティティーが失われている。美しいが個性が無いばかりか弱々しい。
また、ボディーサイドの浅いプレスラインも上品過ぎて効果的ではなく、前後の消し方もサイズに対して情けない。

インテリアデザイン
★★

個性が無いのが国産車を含めた最近のニューモデルの中でも珍しい。インパネの構成も、かつての名車のレイアウトや欠点まで含めた類似点が多く、クラシックな雰囲気で高級感を狙ったとしても、中途半端で腹が決まっていない。「好かれよう」と積極的なチャレンジをするのではなく、「嫌われないようにしよう」という後ろ向きデザインがあだになってしまったようである。高級感を出したいためなのか解らないが、煩雑さはステアリングにも及んでおり、スポークに設けられた大げさな枠の中にあるオーディオのコントロールスイッチにいたっては、運転に重要なスイッチ類なのかと勘違いしてしまうほどの仰々しさである。
先に書いたフロントシートの欠点と合わせ、残念ながら以上の結果となった。
総合評価
2.5最後に、アウディA6 3.2 FSI quattroの最高の心地よさについて、素晴らしい走りでの☆5つをお伝えしたい。大磯プリンスホテルの広大な海側駐車場で、フル加速による8の字旋回や蛇行運転を試したが、ボディー剛性の高さとフルタイム4駆の異次元の追従性、リニアな操舵感は凄い。スバル・レガシー4WDも良かったが、アウディはより身軽で、サイズが大きくなったのにも関わらず、かつての独特の重すぎるくらいの重厚さが消えていた。大変身を遂げているのである。デザインは大いに不満であったが、車の性能は確実な進化を遂げている。

2005.2.21 (荒川 健)


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