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MASERATI QUATTROPORTE
 

エクステリアデザイン  

★☆☆

リミックス&アレンジメント・デザインの代表作である。マセラティならではの世界にチャレンジしたコンセプトは高く評価したい。
だが、其の先のデザインがいけない。骨格の弱さを引きずったままで、小手先の面処理に力が入ってしまったようだ。
お手本の初代クワトロポルテや3500GTは職人の造形である。デザイン的には難しいことを、大胆に他方を切り捨てることによって成り立たせたりしている。
担当したデザイナーは大先輩のこうしたデザインテクニックを研究したのだろうか。カタチを似せる前に歴代の持っていたエレガントさとか造形のねらいを、現代のデザインとしてバージョンアップしてほしかった。
また、高級車のたたずまいはスーツと同じで、ここだけは崩せないという一線がある。それを崩してしまうと、どんなに仕立てが良くても演歌歌手の世界になってしまい、フォーマルな場には着て行けないのだ。

インテリアデザイン
★★★☆

高級素材に囲まれた贅沢な室内空間である。この世界は今後ニッポン車でも重要であり、学ぶべき点が多い。造り込みといった観点から、デザイナーと職人との意思の疎通が良くはかられていて、完成度が増していると感じた。
ただ、エクステリアデザインにも言えるのだが、微妙なライン取りや形状に大味なところがあって、上品さを損なっているように思える。
また、パッケージデザインの詰めが甘く、ボディの大きさの割にはリア乗員の居住性改善に工夫が足らないのが気になり、この点数となった。
総合評価
★★☆☆☆この世界のクルマの価値は、なんといっても存在感が重要である。
五代目となったクワトロポルテの、歴史を感じさせる押し出し感は強烈だ。ちなみに一流自動車雑誌は、こぞって高い評価をしている。

ところで、おしゃれな女性にとっては、今度のクワトロポルテにどんな印象を持つのだろうか。
以前、いかにもIT企業の受付嬢といったおしゃれな方が、4代目のパールホワイトのクワトロポルテが銀座の交差点をゆっくり右折してゆく姿に目を奪われていたことがあった。BMWの最新の6シリーズも通っているのにである。
私にとっては、おしゃれな女性の目線がどんなクルマを追いかけるのかは重要で、とても興味があるのだ。造り手側の独りよがりにならないために、私も努力している?のである。

2005.4.22 (荒川 健)


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