★☆☆☆☆
リミックス&アレンジメント・デザインの代表作である。マセラティならではの世界にチャレンジしたコンセプトは高く評価したい。
だが、其の先のデザインがいけない。骨格の弱さを引きずったままで、小手先の面処理に力が入ってしまったようだ。
お手本の初代クワトロポルテや3500GTは職人の造形である。デザイン的には難しいことを、大胆に他方を切り捨てることによって成り立たせたりしている。
担当したデザイナーは大先輩のこうしたデザインテクニックを研究したのだろうか。カタチを似せる前に歴代の持っていたエレガントさとか造形のねらいを、現代のデザインとしてバージョンアップしてほしかった。
また、高級車のたたずまいはスーツと同じで、ここだけは崩せないという一線がある。それを崩してしまうと、どんなに仕立てが良くても演歌歌手の世界になってしまい、フォーマルな場には着て行けないのだ。
|