★4.0
最初に述べたように「垢抜けたデザイン」の一言に尽きる。
なぜ垢抜けているかというと、先の内容の繰り返しになるが、ダイナミックなフォルムの追求に的を絞った造形のクオリティーアップを全力で追及しているからである。最近の国産人気車のモデルチェンジに有りがちな、デザインテーマの希薄さをカバーしようとしたキャラクターラインやグラフィックでの誤魔化しがないからである。こうしたうわべのインパクト追求がアジアン・カーの非永続デザインの根源であることを他社は自戒すべきである。
満点から1点減点したのは、以下の理由だ。
まずは、ヘッドランプの形状である。リアコンビランプが新鮮で、今後の定番的な構成となるであろう優れたデザインであるのに対し、新鮮味が無い。GM的テイストに合わせたのかもしれないが、ハッキリ言ってGM本体のデザインは老化してしまっている。
ちなみにGMグループのオペル・ベクトラは、世界トップの優れたデザインレベルを達成しているが、なぜかヘッドランプが古臭い。これはあきらかにGM本社がグループ内で広がりすぎたデザインテーマを、とりあえずヘッドランプだけでも統一感を打ち出そうと働きかけたとしか思えない。
スズキが考えた斬新なデザインをGMに直談判してもよかったように思う。
もうひとつはリアバンパーである。かっちりしたボクシーなイメージは正解だが、あまりにもレーシングカー的というか生々しいそっけなさを感じる。もう少し曲面のハイライトに方向性のあるニュアンスをつけた方がさらにクオリティーがアップしたように思える。
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