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FIAT PANDA
フェンダー先端から始まるしっかりした骨格的ショルダーラインは、力強くウエッジしながらリアを一周している。クルマにしっかりした方向性をあたえる定番的造形手法で、特に室内の要件から頭でっかちのプロポーションになっているこのクルマの場合は、フェンダー間を結ぶプロテクターの付いたキャラクターラインとともにシャープさを与える極めて効果的な必須アイテムである。
ヘッドランプとテールランプとリアクオーターガラスを良く見るとデザインの考え方が集約されている。このパンダのデザイナーは建築的な発想でデザインをまとめようとしているのである。機能的な構成を優先させ、従来の枠にはまった自動車らしいスタイリング的処理を抑えているのである。ヘッドランプにしても常識にとらわれず安上がりな構成なのに機能的で面白いレイアウトである。
最後に特筆すべきなのが、様々なオープニングラインの位置と、開いたときの其々のラインの美しさである。たとえば、フロントドアなどにしても、Aピラーやドア側の両方がどちらかの影響を受けることなく、綺麗に通っているのである。簡単なようで、これが結構難易度が高い。1970年代からイタリアンデザインの特徴は構成されたパネルやパーツなどのパーティングラインの美しさであった。デザインの基本としてよい伝統が今も息づいている。

インテリアデザインに移ろう。
シートが高いため運転席に乗り込むのが楽である。最新の成形シートは表面がやさしいソフトな感触で出来が良く、すわり心地が良い。しかし走るとウレタンの弾力がありすぎるのか、少し落ち着きが無い印象が残念である。
ファブリックはとてもお洒落でモダーンで質感も両立している。カラーも抜群で、ムーブイエローという試乗車の美味しそうな黄色は、もともと私の大好きな色である。ただし形状に魅力が乏しいのが残念だ。
インパネはどうしたことか、おかしいデザインをしている。センターにゆったりと傾斜してそびえ立つセンターコンソールはあまりにも大柄で、カーナビを取り付けないと
まるで運転中にCDの操作を推奨するような高さに設定されている。空調システムの操作性は良すぎる位置にあり、弊害として何より大げさな圧迫感がうっとうしい。また、働くクルマであるIVECOの大型トラックのような色調も含めた雰囲気も気になるところである。採点に移る。


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