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メーカー通信簿Vol.11 オペル
ベクトラのフロントフェンダーから延びるドアミラーなど新しい試みは見られるものの、デザインの新たな魅力にとって重要なプロポーション、そしてそれを支える面の構成が凡庸かつ旧態依然としているからである。デザインがウリとなるべきティグラも、若向きと言うよりもあのような幼稚なデザインでは初めから消え去る運命にあったとしか思えない。従って、それぞれにモデルとしては新しいかもしれないが、ユーザーを惹きつける新たな魅力や新鮮さが感じられないのだ。例えば当時の日本のメーカーが、新商品開発に際しての参考の対象とするようなモデルにオペルが加わるということは、ま、なかったであろうがごとく。
そして次の世代の始まりが99年のザフィーラとなる。北米、日本と火がついたミニバンブームが欧州へも波及するのに対応してのモデルで、ハシリや造りを含めてナカナカよくできてはいる。だがあまりにも地味、というか新鮮さに欠けるのだ、ヤッパシ。
そして00年にコルサ(ヴィータ)が刷新され、モダンかつ質を高めて現れた。だが、時代の進化度、そして刷新度への期待値のようなものに比べると、その新鮮度は高いとは言えぬレベルと言わざるを得ない。また01年にはスピードスターと称する2シータースポーツがデビューした。しかし、一見大胆に先進のスポーツカーのようだが、スポーツカー的なカタチや要素を集めただけのレベルで、スポーツカーのカッコたる独特の味、タタズマイに欠けるので、メカニカルなマシーンとしての感覚が強いままで終わっている。スポーツカーの魅力には、メカニカルな要素とエモーショナルな、言うなれば動物的な要素が必要なのだ。

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