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メーカー通信簿Vol.13 プジョー
今やフランスのメーカーを代表する、そして活発なニューモデルデザイン開発に取り組むプジョーだが、かつては地味な、しかし基本性能や実用機能そして信頼性の高さで根強い支持者を抱えていたようだ。それがデザインの向上を意図し、ピニンファリナに依頼したのが1960年の404であり、その緊密な関係は今に続いている。実際、近々日本でも407に代わるが現行の406のクーペのデザインとボディ製造はピニンファリナが受け持ち、セダンが407となった後も当面は継続生産されるはずだ。ところで、前回のシトロエンを資本会社となっていたミシュランから買収したのは76年、また78年には同じく経営危機にあったクライスラーのヨーロッパ子会社シムカを買収している。
さて、筆者のプジョーとの初めの出会いは70年代後半、社有車の604だ。75年デビューのプジョー初のプレステージセダンで、エンジンは前年にプジョー、ルノー、ボルボ3社の協同で初めて設定された新V6のPRV(3社の頭文字)を搭載したモデル。当時、筆者が勤めていた社内の参考車で大型車あるいは高級車と言えばアメ車かメルセデスで、日本の技術屋は“ラテン系のモデルなどクルマにあらず”みたいな時代だったから珍しい。で、ボクシーながらシンプルな面構成に備わる情感や深みは、アメ車は勿論当時の日本車にも見られぬ味わいだった。上質なファブリックに覆われたクッション感の上質さとシャシー性能の高さに出張時には度々引っ張り出したものである。
また、2度目の出会いは、79年の初の欧州出張の折、デビューして1年チョットのロアーミドルセダン305をニース空港のエイビスで見つけ、トリノまでの足とした時。日本でも小型モデルがFF化の動きを見せ始めており、本場の最新技術と同時に端正なデザインとインテリアの実用性に興味を持っていたからだ。印象的だったのは、長時間の運転でも疲労を感じさせないシート、空力性能、そしてFFを感じさせない操縦性と高速安定性、などのレベルの高さだ、たかが1・3リッターなのに。
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