automotive design    
Car Design New Car Info Drive Info 自動車保険 自動車買取
メーカー通信簿Vol.14 ルノー
この状況に光明のごとく現れたのがトゥインゴだ。
現在のルノーデザインを率いるムッシュ・ルケマンの作とも聞いたが、一見かつての日本の軽に多く見られたカワイイ系のオンナ・コドモに媚びたようなデザインと見る者もいるが、そのプロポーション、バランス、面構成、ディテールに至るまで、キワメテレベルの高いタタズマイである。特にサイドビューでのシルエット、ルーフライン、ウェストライン、各ピラーの配置と角度などの関係は完璧と言える。一種剽軽とも見えるフロントの表情がカワイイに繋がるのだ。
このトゥインゴから現在へのルケマン時代となるようで、ルーテシア、ラグナ、メガーヌ、セニック、そしてアヴァンタイム、ヴェル・サティスと、次第にルケマン色を強めてきたわけだ。だが、大胆な造形による強烈な個性という点では突出しているもののデザインの完成度、あるいは普遍性を伴った魅力という点では一つの過度期だと観ている。

その一つの表れとして、この1月に日本で行われたルケマン氏の講演で紹介された新たなデザインスタディーとしての“フルエンス”を見ると全く新たな、と言うよりも一般的なモダンで流麗なテイストで仕立てられており、現在の傾向とは全く違ったデザインへのアプローチと言える。
 
これを具体化するのか単なるトライアルの一つなのかは明確ではないが、常に変化して行くルノーデザインの印象を与えられたことはタシカ。筆者の質問に、日産デザインとは今後もそれぞれ独自の活動を続けるということだが、プラットフォームの共通化の中でいかなるデザイン提案がなされていくのか、同じ欧州市場で共存を図るだけに興味深いものがある。
1 2 3 TOP