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メーカー通信簿Vol.15 ジャガー
オースチン、ヒルマン、トライアンフ、モーリス、ローバー、サンビーム、ライレー、ウーズレー、アルビス、ジャガー、アストンマーチン、ラゴンダ、ヴァンデンプラス、ロールスロイス、ベントレー、ダイムラー、ジェンセン、ヴォクゾール、イギリスフォード、ブリストル、ロータス、モーガン、MG…、筆者の記憶だけでも、スポーツカーなど特殊なモデルのメーカーを含めれば、かつてはこれだけのブランドが百花繚乱のごとく覇を競い、イギリスを世界に冠たるクルマ王国に君臨させていた。
自国資本の量産メーカーが全て消滅してしまった現在からは想像もし難いが、実際、筆者がクルマの仕事に就いた当時のイギリスの自動車界は日本にとってのお師匠さんと言ってよく、例えば大量産メーカーの一つのオースチンは日産自動車に、同じくルーツグループのヒルマンはイスズ自動車にノックダウンから始まった技術供与を行い、それぞれの乗用車生産の基礎を築いたのだ。そして高性能スポーツカー、ライトウェイトスポーツ、スポーツセダン、高級セダン、ファミリーセダン、コンパクトカー、オフロード4WD等々何れにおいても独、仏、伊を凌駕し、絢爛豪華なアメリカンとは違った憧れと尊敬を集めていたものである。
デザインにおいても、華麗なイタリア、優雅なフランス、格調のドイツとは違った、気品を漂わせた独特の魅力を備えていたものだった。だが時代は下り、膨大な富と市場によって盟主大英帝国を支えていた世界中に散らばる植民地を次々と失い、さらに階級社会の閉塞感と爛熟社会の倦怠感からイギリス病と言われた無気力な状況を迎えて生産や経済の活力を失い、数多の自動車会社が離合集散の末に身売りあるいは消滅の憂き目を見たのである。
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