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メーカー通信簿Vol.15 ジャガー
まさにデザインの魅力によって発展したメーカーであり、加えてスポーティさや高性能が加わって世界的な名声を築き、今日に至っている。デザイン論ならぬ歴史解説となってしまったが、ジャガーのデザイン、とりわけ興隆期のモデル群を一言で言うと、その名のごとく“ビッグキャット”が飛びかかるようなエモーショナルな感覚で、シナヤカなプロポーションと優雅に洗練された面構成は強い個性と存在感を放つものだ。その、エクステリアデザイン重視のパッケージングは反面キャビンの小ささに結びつくようだが、いざ乗ってみて気付くのは、広くはないにしても心地よく落ち着ける“質の高い空間”となっていることだ。
筆者が使っていた「3・4リッターモデル」は有名なMk(マーク)IIの前型で、今日のXJに繋がる当時の“スモールジャガー”だが、丸く流れ落ちるようなルーフエンドながら後席もユッタリと寛げる居住性を備えていたのはボディの丸さと高質な仕立てのインテリアによるものか。さて、ジャガーらしさを形成してきた古典的なデザインを感じさせるセダンは、大型がMk−VからVII、VIII、IX、X(最後は420G)と推移、小型、と言っても日本の感覚では大型だが、前述の3・4リッターモデルからMk−II、Mk−Sと推移し、大型と小型を併せてモダン化されたのがXJ6だ。
 
これがXJシリーズの始まりで、I からIII まで推移した後内外のデザイン変更を受け、角形の前後ランプを持つXJ40のスタイルとなったが、筆者はこれ以前で旧き良きジャガーデザインは終演したと観る。それまでのジャガーラインは、セダン、スポーツカー、レーシングカーを問わず、見る者に情動を起こさずには置かぬエモーショナルな存在感と魅力を備えていたと言える。
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